News 新着情報

2026.10.22

【開催報告】Hoover–IHJ Strategic Dialogue ― 新しい戦い方と地経学のフロンティア

2026年9月16日、国際文化会館(IHJ)は「Hoover–IHJ Strategic Dialogue ― 新しい戦い方と地経学のフロンティア」を開催しました。スタンフォード大学フーヴァー研究所との共催によるもので、国際文化会館の地経学研究所(IOG)および新領域戦略研究所(RAIS)と合同で企画・運営をおこないました。フーヴァー研究所からは14名の訪問団が参加し、公開セッションには約80名が来場、国内外20社の報道関係者が取材に訪れました。

戦争の論理と技術が大きく変わりつつあり、経済的相互依存そのものが威圧の手段となるなかで、日本と米国、そしてパートナー諸国が安全保障・経済・技術にわたる共通の戦略アジェンダをいかに構築すべきかを、二つの角度から議論しました。

 

セッション1:新しい戦い方・守り方

登壇者は、マット・ポッティンジャー氏(フーヴァー研究所 特別客員フェロー/元米国家安全保障問題担当大統領次席補佐官)、オリアナ・スカイラー・マストロ氏(スタンフォード大学フリーマン・スポグリ国際研究所 センターフェロー/インド太平洋政策ラボ ディレクター)、小木洋人氏(地経学研究所 主任研究員)。進行は神保謙氏(国際文化会館 専務理事/新領域戦略研究所 共同代表/慶應義塾大学 教授)が務めました。

世界の安全保障環境の変化が各国の国防政策にもたらす影響を、日米双方の視点から論じました。航空戦力のみで勝利を収めることの限界、安価な兵器と無人システムの重要性、意志の強さ。これらの論点が米国、中国、日本それぞれの経験に照らして検討されたほか、第一列島線の位置づけや台湾の役割にも議論が及びました。

セッション2:武器化する相互依存

登壇者は、エリザベス・エコノミー氏(フーヴァー研究所 ハーグローブ・シニアフェロー/元米商務省 中国担当上級顧問)、アイク・フレイマン氏(スタンフォード大学 フーヴァーフェロー/同盟連携ワーキンググループ ディレクター)、鈴木一人氏(地経学研究所 所長/東京大学公共政策大学院 教授)、江藤名保子氏(地経学研究所 上席客員研究員/学習院大学法学部 教授)。進行はアンドリュー・カピストラーノ氏(地経学研究所 客員研究員)が務めました。

デリスキングと輸出管理の「次」を主題に、守りのサプライチェーン強靱化から戦略的優位の構築へと議論を進めました。経済的誘因と威圧、通貨の国際化、中国製AIや電気自動車の普及、独自の経済圏の構築といった中国の経済的ステイトクラフトの手法が整理され、日本が地経学的な立場を高めるための資源の動員、欧州の備え、一帯一路構想(BRI)の現在の評価にも議論が広がりました。

今回の対話は、フーヴァー研究所の訪日団をお迎えし、安全保障と経済の双方にわたる課題について率直に意見を交わす良い機会となりました。国際文化会館は、知的対話の場を提供することを通じて、今後もこうした議論を重ねてまいります。