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2026.02.12

【開催報告】セドナ・フォーラム東京 ― 自由・イノベーション・安全保障を前進させる日米同盟

2026年1月15日、セドナ・フォーラム東京が国際文化会館(IHJ)にて開催されました。本フォーラムは、米国マケイン研究所の年次旗艦会議「セドナ・フォーラム」としては初の海外開催であり、マケイン研究所と国際文化会館の共催により実現しました。当日は、日本、米国、アジア太平洋地域から120名を超えるリーダーおよび専門家が参加しました。

地政学的競争の激化、インド太平洋地域の不確実性の高まり、そして日米両国が共有する課題の複雑化を背景に、本フォーラムは極めて時宜を得た対話の場となりました。米国、日本、その他各国の国会議員、政府高官、ビジネス界の要人が一堂に会し、世界および地域の安全保障、AI関連課題(エネルギーや重要鉱物を含む)、台湾海峡情勢、スポーツと文化外交、世界および日本の金融動向など、多岐にわたるテーマについて議論が行われました。国際文化会館は、この記念すべき初の国際開催の場を提供できたことを光栄とし、外交、技術・エネルギーの強靭性、そして変化する国際秩序について率直かつ未来志向の意見交換に貢献しました。

開会挨拶

フォーラムは、マケイン・アドバイザリーCEOであり、マケイン研究所理事でもあるジャック・マケイン氏の挨拶で幕を開けました。同氏は、セドナ・フォーラム初の海外展開の開催地として国際文化会館が選ばれたことへの謝意を述べるとともに、インド太平洋地域にとって重要な時期に、超党派かつ率直な対話の伝統を東京にもたらす意義を強調しました。

続いて、国際文化会館理事長の近藤正晃ジェームス氏、マケイン研究所事務局長エヴェリン・ファーカス博士の挨拶が行われ、その後、全5セッションが開始され、最初のテーマは「グローバル安全保障」でした。

セッション1:グローバル安全保障課題に対するアジアの視点

登壇者
・河野太郎 衆議院議員
・ホルムズ・リャオ 台湾宇宙庁上級顧問
・吉田圭秀 元統合幕僚長
モデレーター
・ジョシュ・ロギン ワシントンポスト主席グローバル安全保障アナリスト

本セッションでは、日本政府とトランプ政権との関係を出発点に、日米の軍事協力の重要性、日台関係強化の必要性、台湾海峡における戦略計算に影響を与えるベネズエラ情勢、政治体制に影響を及ぼすグレーゾーン戦術の継続など、多様な論点が提示されました。

セッション2:テクノロジー・エネルギー・国家安全保障の新たな最前線

登壇者
・セスラマン・パンチャナタン アリゾナ州立大学教授、元全米科学財団長官
・塩崎彰久 衆議院議員
モデレーター
・秋田浩之 日本経済新聞コメンテーター

本セッションでは、「イノベーションとAI」「重要鉱物・レアアース」「エネルギー安全保障」の3本柱を中心に議論が行われました。AI分野では高度なデジタル・技術スキルを持つ人材育成の重要性で一致しました。重要鉱物・レアアースについては、中国への依存が依然として戦略的脆弱性であることが指摘されました。特に日本におけるエネルギー安全保障については、短期的には構造的制約が大きいとの認識が共有されました。

ランチディスカッション

登壇者
・エブリン・ファーカス博士 マケイン研究所事務局長
・デイビッド・ペトレアス元CIA長官(KKRパートナー)

米国の最近の政策動向や代替的アプローチについて幅広い意見交換が行われました。国家安全保障戦略、ウクライナ戦争を踏まえた軍事力の適応、インド太平洋の戦場環境、ロシアの戦時経済、対イラン抑止、ベネズエラ情勢、ガザの将来などが主な議題でした。

セッション3:中国・台湾・地域安定の未来

登壇者
・松川るい 参議院議員
・森聡 慶應義塾大学教授
・ランディ・シュライバー インド太平洋安全保障研究所理事長
モデレーター
・太田昌克 共同通信編集委員兼論説委員

本セッションでは、外交努力と抑止力の双方を強化する重要性が強調されました。日本の世論および政府関係者の間では地域安定への課題認識が高まり、防衛費増額の必要性が広く認識されていることが示されました。また、第2次トランプ政権のいわゆる「型破りなアプローチ」により、安全保障問題に対する米国の対応の予測困難性が増しているとの見方も示されました。

セッション4:スポーツと文化が形づくる外交

登壇者
・安倍昭恵 社会貢献支援財団理事長
・シマー・S・マヨ スポーツ投資家
・鈴木桂治 2004年アテネ五輪金メダリスト
モデレーター
・ジャック・マケイン氏

本セッションでは、スポーツと文化が外交に与える影響について議論が行われました。鈴木氏は五輪選手としての経験と国際スポーツ活動への関与を紹介しました。安倍氏は平和促進に向けた日本文化発信の取り組みを語りました。マヨ氏は投資家の視点から、スポーツが信頼構築と人々を結び付ける力を持つことを強調しました。

セッション5:財務大臣との対話

登壇者
・片山さつき 財務大臣
・リック・デイヴィス マケイン研究所理事長

本対話では、片山大臣が高市政権下の財務大臣としての視点から、レアアース、女性の政治参画拡大、暗号資産およびステーブルコイン、米国への5,500億ドル投資構想など幅広いテーマについて見解を述べました。

閉会挨拶

閉会にあたり、エブリン・ファーカス博士、国際文化会館専務理事の神保謙氏、ジャック・マケイン氏が総括を行いました。国境や分野を超えた継続的対話の重要性と、民主主義国家間の協力強化への決意が改めて確認されました。

フォーラムは夕食レセプションをもって締めくくられ、参加者はさらに交流を深めました。加えて、能の伝統芸能が披露され、日本文化に触れる機会ともなりました。本フォーラムは、国際文化会館が対話の拠点として果たす役割の重要性と、不確実性を増す国際環境における同盟基盤の対話継続の価値を改めて示すものとなりました。