Experts エキスパート
辻田 哲平
新領域戦略研究所 客員主任研究員
プロフィール
2015年4月より防衛大学校に勤務し,現在,同校の准教授を務めている.ロボット工学を専門とし,これまでヒューマノイドロボット,手術シミュレータ,無人航空機/無人車両など,実世界で動作するロボットシステムの研究開発に取り組んできた.特に,ロボットのセンシングと運動制御,機械設計,システム実装,実機実験を含む,システムインテグレーションに関する研究を専門としている.
近年は,国際人道法(IHL)の規則や原則を,自律システムが扱うことのできる計算可能なモデルとして表現し,実際のロボットシステムに適用する研究に取り組んでいる.法的・倫理的な議論を抽象的なレベルにとどめるのではなく,実際のセンサ,認識アルゴリズム,制御システムおよびロボットを用いて,IHL上の要求と現実の技術的能力との関係を定量的に検討している.さらに,こうした法的要求を数理モデルやアルゴリズムとして表現し,自ら実装するとともに,シミュレーションや実機実験を通じてその挙動と限界を検証している.これにより,現実のセンサやAIが持つ不確実性の下で,IHL上の要求を自律システムの設計や意思決定にどのように反映できるのかを工学的に明らかにすることを目指している.
また,ロボティクスと武力紛争をめぐる問題について,異なる分野の専門家が議論する場の形成にも取り組んでいる.2024年に日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門内に「セキュリティロボティクス研究会」を設立した.現在,同研究会は,国際法・社会科学・工学分野の研究者,産業界の関係者,人道支援団体,SF作家などから構成され,学際的な研究コミュニティを形成している.日本の工学界ではあまり議論がなされてこなかった,自律型致死兵器システム(LAWS)をはじめとする新興技術とIHLの関係や,将来技術の規制のあり方について議論している.
防衛大学校着任以前には,東北大学において博士(工学)の学位を取得し,同大学流体科学研究所および大学院工学研究科で助教を務めた.また,日本学術振興会海外特別研究員として,米国カーネギーメロン大学ロボティクス研究所において客員教員として研究に従事した.2026年より防衛装備庁科学技術フェロー.
【兼職】
防衛大学校システム工学群機械工学科准教授
研究分野・主な関心領域
セキュリティロボティクス / ロボット工学 / システムインテグレーション / 国際人道法