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-Geoeconomics地政学・国際関係・地域研究
2024.10.23
日本の半導体戦略は何を目指すのか(地経学ブリーフィング)
日本は今、半導体ルネッサンスの真っただ中にある。今年2月には、台湾のTSMCとソニーおよびDENSO、トヨタ自動車の合弁会社であるJASMの熊本第一工場が完成し、開所式が行われた。JASMの第一工場は今年末には量産体制に入る予定である。この第一工場の完成を受け、JASMは第二工場を同じく熊本に建設することも決定し、一気に熊本が日本の半導体の中心地になった。しかし、同時に、2ナノメートルの半導体を製造するファウンドリ(受託生産企業)としてラピダスが米国のIBMやベルギーのIMECなどの協力を得て起業し、北海道に工場を建設している。さらに、TSMCと産業技術総合研究所(産総研)が協力し、次世代の半導体技術である積層化に関する研究所を発足させた。加えて、韓国のサムスンが横浜に最先端の半導体研究機関を作るなど、まさに世界中の半導体産業が日本に集まっており、半導体をめぐる地経学的な構図を塗り替えている。