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-Geoeconomics地政学・国際関係・地域研究

2024.10.17

なぜ「自由で開かれたインド太平洋」におけるASEANが重要なのか?

安倍晋三首相は、2012年の第二次安倍政権発足後、最初の訪問先としてベトナム、タイ、インドネシアのASEAN三ヶ国を訪問し、「戦略的パートナーシップ」を一層強化していくことを確認したほか、「対ASEAN外交5原則」を発表し、「日本はASEANの対等なパートナーとして共に歩んでいく」旨を就任早々に表明した。その後の安倍政権下で、2016年8月に、著しく成長する環インド洋地域と太平洋地域を結びつける新しい概念として「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」戦略が提唱されたが、2019年にASEAN首脳が「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を発表した際には、安倍首相は、日本がAOIPを全面的に支持し、FOIPとのシナジーを実現しAOIPの具体化実現に向け協力していく旨を表明している。こうした精神は、菅義偉政権を経由して岸田文雄政権でも踏襲され、2023年1月に米国ジョンズ・ホプキンス大学高等国際関係大学院で岸田首相が行なったスピーチでは、「日本にとって最も近く重要な仲間たち」として東南アジアに触れて、FOIPと「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」が共鳴することの重要性が改めて強調された。

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